この一枚は、喜劇俳優の曾我廼家五郎がお贔屓先に送った年賀状です。
時は昭和14年、アジア・太平洋戦争への前夜
荒波の中、旭日が昇る、船の上でウサギが敵と戦う、真中に「かち」(勝)という絵を背景に新聞の号外形式で、左側にはウサギにもじって卯崎君の奇襲奮戦と題し、戦況を簡潔に報告、右側には曾我廼家五郎の笑劇と名付け、元日からの初春興行の知らせを掲載しています。
この年賀状の小さな紙面から、戦時中でありながら喜劇王である曾我廼家五郎の苦心が読み取れます。
ちなみに曾我廼家五郎が書いた卯崎君の奇襲奮戦は、翌々年昭和16年の真珠湾攻撃と太平洋戦争開戦を暗示しているかのように読み取れますが、昭和15年と16年の年賀状はどのような内容か、とても興味があります。
お持ちの方がいらっしゃればお知らせいただければ幸いです。