「寿 初春大歌舞伎」と市村羽左衛門の「春駒」

東京は暦通り三日前に、大寒らしい瑞雪が降りました。立春の2月3日まであと一週間ほどですが、早く寒波が過ぎ去って、暖かくなってほしい今日この頃です。
年の初めは恒例になりましたが歌舞伎を観に行ってきました。
今年は歌舞伎座開場130年、高麗屋三代同時襲名のめでたい年です。
松本白鸚 松本幸四郎 市川染五郎 襲名披露 「寿 初春大歌舞伎」の提燈や垂幕が歌舞伎座を一層賑やかにしています。

歌舞伎座内は伊東深水、上村松園、奥田元宋など画伯の作品が近くで見られるので、毎回楽しみです。

緞帳は画家 松尾敏男、中島千波、上村淳之の原画を元に織られました。

舞台の記録は録画などで残せますが、役者と客と共有したその場の雰囲気は表現者と観覧者の脳裏にしか残せません。嘗ての大歌舞伎役者が描いた絵画や書を見ながら、いつも往年の名優はどのように演じたか想像を巡らせています。

この掛け軸は大正から昭和初期の歌舞伎を代表する役者15代目市村羽左衛門の「春駒」です。
この可愛らしい「春駒」はさすが美男子「花の橘屋」と称された15代目羽左衛門の作品だと思いました。

掛け軸の箱の字も羽左衛門直筆であります。

掛け軸の表装も上品ですね。

ちなみに二月大歌舞伎も高麗屋 松本白鸚 松本幸四郎 市川染五郎 襲名披露です。一番目の演目は「春駒祝高麗」となっていますので、ご覧になってみてはいかがでしょうか。