ライナス・ポーリング博士はご存知でしょうか。
氏はノーベル賞の化学賞(1954年)と平和賞(1962年)を受賞した唯一の科学者であります。
私はこの手紙を見て初めて知りました。
これはライナス・ポーリング博士直筆サインの手紙です。
封書から、アフリカ・ガボンのランバレネにあるシュヴァイツァー(シュバイツァーとも訳す)病院の高橋功博士宛となっています。
高橋功博士は志賀潔博士の甥で、陸軍軍医の後眼科医院を開業、昭和33年から妻武子とともにアルベルト・シュヴァイツァー博士(ノーベル平和賞受賞者)と一緒に8年間アフリカのガボンで医療活動に従事した日本人医師であります。
ちなみにアルベルト・シュヴァイツァー博士はオルガン奏者でバッハ研究家であったそうです。
また高橋功博士はギター奏者、研究家としても知られ、パリ国際ギターコンクール審査員を務めたほどでありました。
今年のノーベル生理学・医学賞を受賞された東京工業大栄誉教授の大隅良典先生は受賞記念講演で、
「科学を何かに役立てるためのものではなく、文化としてとらえ、育んでくれる社会になってほしい」と話されたことは印象に残りました。
また、昨年ノーベル生理学・医学賞を受賞された大村智北里大学特別栄誉教授は、美術品特に上村松園、三岸節子、小倉遊亀など女流画家の絵画作品の収集家としても有名です。
美術や音楽そして演劇などの文化と同様、自然科学、人文科学そして社会科学を総じて文化として考えることが大事だと改めて気づかされました。
(夏樹美術スタッフ N)