井伊直弼が摺拓した拓本 上部、井伊鉄三郎直筆の掛け軸

井伊直弼は彦根藩主井伊直中の14男として生まれました。 藩主になる可能性はほぼないと誰しも思いました。 「埋木舎」(うもれぎのや)と自ら名付け、暇を持て余したと考えられます。

この掛け軸は井伊直弼27歳、藩主になる8年前、300俵の捨扶持の部屋住み時代のものです。

このお軸の上部は「志津嶽の碑 天保13壬寅 井伊鉄三郎 摺拓 花押(井伊直弼の花押)」と井伊直弼(通称鉄三郎)の直筆です。

下部は豊後岡藩8代藩主中川久貞が建立した志津ヶ嶽の戦い及び戦国武将中川瀬兵衛を偲ぶ碑の拓本です。

巻止めに「志津嶽中川公碑 直弼公御採拓」の記述と「中島宗達蔵」の収蔵印が有ります。
所蔵者だった中島宗達は彦根藩医です。

(夏樹美術スタッフ I)