号外 その1

家を整理していたら、昔の号外がいっぱい出てきたので見てほしいとの事であまり期待をせずに伺いました。
数十枚あり、殆んど日清日露戦争の時の物で、司馬遼太郎著「坂の上の雲」の愛読者の私は時を忘れて見いりました。
当時日本の国運がかかっていただけに、国民の並々ならぬ関心の高さをこの号外で見て取れます。
当時の号外は今の臨時ニュースですが、その文面は今でいう古文調で実に簡潔で要点を得ていて小気味の良さを感じます。

大量の日清戦争、日露戦争に関する号外。
この箱に保管されていました。

一部をご紹介します。明治38年12月2日の報知新聞の号外です。

北京特電として 「小村大使の卒倒」 おそらく疲労による貧血でしょうが、卒倒 という文面で号外性を出しているのが面白いところです。
当時在清国大使の小村寿太郎がいかに国民に頼りにされていたかが垣間見えるような気がします。

京城特電として 朝鮮の閔泳煥(日韓併合の闘争に敗れ自殺)の国葬の後、趙秉世も自殺したことがリアルタイムで載って居ります。
調べましたらこの二人の政治家は日韓併合に最も反対した人であった、とあります。
今の韓国の人にとって見れば英雄という事になります。

報知新聞は一時期五大新聞の一翼を担っていたらしいのですが、私たちが今知るのはスポーツ新聞としての印象です。
(夏樹美術スタッフ I)