夏目漱石と文京区

今日は「平成29年度 文京区企画展 ~漱石とぶんきょう ただやるだけやる而已(のみ)に候~」展を見に文京区シビックセンターへ足を運んできました。
平成29年は文豪夏目漱石生誕150年の節目に当たり、2/5~2/11までの短い期間の展示ということもあるのか展示室は来訪者がたくさんいらしゃいました。
この企画展では主に夏目漱石が文京区で暮らしていた時代の前後に焦点を当てたパネル展示が中心となります。

夏目漱石が文京区に居を構えていたのはイギリス留学から帰国後の明治36年から40年までの4年間という短い時間でしたが、その間に東京帝国大学での教鞭、「吾輩は猫である」の執筆を経ての職業作家への転身と文豪としての彼の歴史の大きな転換期を迎えています。
通称「猫の家」と呼ばれる帰国後に住んでいた住居はかつて森鴎外が住んでいた家で、その後数々の創作活動が行われた西片町の住居はのちに魯迅が住んでいたりと、様々な文化人が入れ代わり立ち代わり足跡を残していった文京区ならではの解説に、ふと当時の空気を吸ったような気分になりました。

夏樹美術は実に130年ほど続く本の街神田神保町すずらん通りの中にあり、文京区もお隣ということもあって、夏目漱石の軌跡を通じて様々な文化人たちが、かつてもそして今もこの街を闊歩していたのだなと思うだけで胸がわくわくしてしまいます。
いい機会なので次は少し足を伸ばして文京区最初の借家であった猫の家と二番目の借家であった西片町の家を散歩がてら尋ねてみようと思います。

今回のこの漱石展との出会いを皮切りに、かつての文化人たちが立ち寄ったであろう現在も残る史跡に足を運んで皆様に、この場を通じてご紹介できればと思います。

(夏樹美術スタッフ H)