神風特攻隊生みの親、海軍軍人大西瀧治郎中将の珍しい一行書、昭和史好きな私の大事な逸品であります。

神風特攻隊生みの親、と言われた海軍軍人、大西瀧治郎中将の珍しい一行書をご紹介いたします。

昭和の軍人さんの掛け軸はどこから出てくるのかと思うほど世の中にたくさんありますが、
なかなか出てくることの少ない人物もおり、例えば陸軍では沖縄戦の牛島満中将、本間正晴中将などの名前が挙げられます。
しかし、めったに出会わないとは言え、ないわけではありません。

しかし大西瀧治郎中将の書は絶無と言っても過言ではないでしょう。
この一行書は同じ海軍の部下であったのでしょうか源田実参議議員の所有であったものを、 その部下であった方のご子孫が受け継いだものと聞いております。
世の流れの中で昭和20年がはるか遠くなる事を惜しんだご子孫から、大事にしていただけるなら、 という事で御譲りいただきました。
文名は「池頭春草夢」とあり、朱熹「偶成詩」の一節、「池塘春草夢」と同じ意味と思われ、 池の堤の春草の上で見た夢。夢の多い少年時代・青春時代の楽しさ、またそのはかなさ、とのことです。
家族も持ったことのない青少年兵を国家のためとは言いながら死に追いやった指揮官の断腸の言葉のような気がいたします。
昭和史の好きな私の大事な一品であります。

(夏樹美術スタッフ I)