中国に、どんな家にも必ず人には解らないお経があると言うことわざがあるそうです。
お宅の遺品整理に伺いますと、御当主も見た事がない、と言われるような物が出てまいります。
何だろう、と言われます。御当主にも解らない御先祖の「お経」がある、と言う様な事が少なくありません。
たまにですが当時の歌舞伎、映画スターのプロマイドなどが出てきた時など、仕事を忘れて奥さまと見いってしまいます。
お母様が集められたのでしょうかそれともお祖母様でしょうか、半世紀以上経ったそのセピヤ色をしたアルバムは一見してもほとんどだれか判りません。
歌舞伎役者など隈取りやドウランで誰がどなたやら解りませんが、その立ち姿などまるで浮世絵を見ているように美しいですし、昔の映画スターなど、日本人にこんな美形がいたのかと言うほどに気品のある綺麗な顔であります。
家に持ち帰り再度見ていますと色々な事に気付きます。写真うつりが一番良いのは少し斜め下を向いた格好が一番良いのでしょうか、殆どそうなっています。
そう言えば幕末明治の志士たちの写真も正面を見て写っているのは実に稀で殆ど斜め向きです。
一説には正面で撮ると魂を盗られる、という迷信があったからその名残ではないかとも言われております。
近藤勇の写真は正面です。
魂を盗るなら取ってみろ、と言う凄まじい顔ですし、シャイアン族のジェロニモなど魂を撮られるのが怖くて銃を持ったまま撮った、と言われています。
過去は人を幸せにする福袋の様な気が致します。
*写真は左上から 小桜葉子 女優 加山雄三の母/高峰秀子 直筆サイン 女優/
早川雪洲 裏に直筆サイン有り 国際俳優/松本幸四郎 市川羽左衛門 ほか 歌舞伎役者/
昭和初期 映画スター 女優 プロマイド/昭和初期 映画スター プロマイド/上原謙 俳優/
左卜全 俳優